那古野とイタリアン

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produzione di shu

料理とサービス
二人三脚のもてなしで
「また訪れたい」店に

 名古屋の名店『イザーレ・シュウ』の水口秀介シェフに師事した後、本場イタリアで修業を積んだシェフの浅井俊行さんと、池下の『アレーナベニーニ』でサービスの腕を磨いたディレクトールの平野皓資さん。2人の心尽くしのもてなしと料理が評判を呼ぶ、水口シェフプロデュースのイタリアンレストランがこちら。

 「水口さんのところで学んだ後に、現地でその技やセオリーを確認したかったのでイタリアへ行きました」と話す浅井さん。実際にイタリアの文化や生活習慣の中で仕事をするうちに、あらためて日本でイタリアンを供することの意味を再認識したという。「日本の食材を使い、日本人が楽しめるイタリアンを提案することが大切だと実感しました」。またそれには那古野というシチュエーションが重要だとも。「ここで店を営みながら、日々この街が持つ日本ならではの風情や文化を体感しています。この雰囲気の中で、日本人の舌に合うイタリアンを発信していきたいと思っています」。
 そんな浅井さんが手がける料理は味はもちろんのこと緻密な盛り付けにも定評がある。中でも“冷製のフォアグラのスカロッピーナ”はオープン以来のスペシャリテだ。マリネしたフォアグラを燻して、薄く削ぎ切る。イチゴやイチヂクなど旬のフルーツとともに味わえば、口の中でとけるフォアグラのまろやかさとほのかな甘み、酸味が絡まり合って至高の味わいだ。

また訪れたい店に
また訪れたい街に

 こうした浅井さんの繊細なひと皿に合わせる一杯をと、平野さんは目下ワインを勉強中。店内のセラーにはイタリア産のワインを常時約100種類揃え、ペアリングを提案する。「ワインはお客様との共通言語。これからもどんどん料理とワインの素敵な組み合わせを提案していきたい」と話す。
 そんな平野さんがめざすのは「お客様に、今日は楽しかったねと満足してもらえる店」だ。「料理がおいしいのは大前提。あとはリズムよく料理を出すこと、それに合ったワインを提案すること。お客様の様子を見ながら、出際、引き際の判断ができるサービスをしていきたいと思っています」。
 お客様に「また訪れたい」と思ってもらえる店になるには、料理とサービスの息が合うことが大切。そう考える浅井さんと平野さんは日々お互いに思ったことを共有するようにしているという。「その思いがプラスに向くように話しあう。お客様がこの店に、2回、3回と足を運びたくなるようにはどうしたらいいか、2人でいつも考えています。やはりそれには日々の小さな積み重ねが大切なのです」。

 1番をめざすのではなく気持ちを込めたものを、それが2人の共通テーマだ。「この街の人々もきっと同じ気持ち。自分だけが抜き出るのではなく、みんなで一緒に盛り上がっていこうと思っている人たちばかりだと思います」と口をそろえる。「これから那古野に来る人にもぜひそういう気持ちで来てほしい。そうすればもっと街も個性的になって注目を集めるようになると思います」。この上ない良き相棒の2人の思いは今日もカウンターの中と外でつながり、紡がれていく。