那古野と鉄板料理

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ピヴォーテ

街に溶け込む隠れ家で
フレンチを融合した
至高の鉄板料理を

 フレンチ一筋22年、数々のホテルや店で修業してきたシェフの佐藤剛さんが四間道を選んだのは「自分の中のタイミング」だと話す。「名古屋駅に近いのに、こんなに静か。まるで都心と思わせないような、どこか昭和のノスタルジックを感じるようなこの街がすぐに気に入りました」。まだあまり多くの人々に知られていない街。そんな四間道の風情に合うような“隠れ家”的な店づくりも大切にしたという。店内は白、黒、ブラウンを基調とした落ち着いた雰囲気でまとめている。「蔵のようなこの建物自体も気に入っているので、そのイメージを壊さないようにしています」と佐藤さん。特筆すべきは印象的なキャッツアイ加工を施したカウンターの天井部分だ。「ステンレスの硬質な部分を少しでも温かみのあるイメージにしたかった。ここに来たらホッと落ち着ける、和める、そんな店にしたいと思いました」。

目でも楽しい旬の野菜を添えた
独創性溢れる一皿

 さらにカウンターのオープンキッチンもこだわりのひとつ。音や香り、調理風景など「食べるだけではなく料理ができるそのライブ感も楽しんでほしい」という思いで作られたものだ。ここで佐藤さんが腕を振るうのは、鉄板を使って巧みに作り上げる料理。厳選した肉や魚、野菜をグリルし、シンプルな味付けと緻密な盛り付けで提供する。ふっくらと焼き上げた天然マダイは身の甘みを存分に引き出すトリュフのソースで、また柔らかくレアに仕上げた和牛は燻し香が香ばしい燻製ソースとともに。どの皿も単なる鉄板料理ともフレンチとも違う、佐藤さんのオリジナリティあふれる料理だ。自ら選んだ素材に、真剣に向き合って一番おいしい状態で仕上げる、その姿を見ているだけでこれから始まる至福の時間に心が踊る。

 また「鉄板料理のくどいイメージを払拭したい」と野菜をたっぷりと添えるのも佐藤さん流。農家へ直接足を運び、こだわって仕入れる旬の野菜はいずれも火を入れることでより一層甘く滋味豊かな味わいとなる。
 さらに和の食材を使っての一品も評判を呼ぶ。中でも鉄板の上にせいろを置いて作る蒸し物は、「見た目も珍しくお客様も楽しんでくれます」と佐藤さん。他にも汁物やごはんも登場することもある。「すべて鉄板料理だとお客様も自分も疲れる。疲れず、飽きずに最後までいろいろな味を楽しんでもらいたいと思ったらこうなりました」と話す言葉にも納得だ。

 こうした佐藤さんの料理を楽しみに、何度も足を運ぶ常連も多いという。まだあまり知られていない、誰にも教えたくないと思われる特別な一軒であることが嬉しく思う一方で、那古野がもっと多くの人々に認知されてほしいとも願っている。「名古屋には観光名所と呼ばれるところが少ない。那古野がそのひとつになればいいと思っています。そのためにはもっと街の連帯感を強くして、未来に向けて発信していきたいとも思っています」。

  • 鉄板フレンチ Pivote
  • 鉄板フレンチ Pivote
  • 鉄板フレンチ Pivote
    てっぱんふれんち ピヴォーテ
    TEL : 052-533-6868
    住所 : 名古屋市西区那古野1-22-9 1F
    営業時間 : 11:30~13:00(LO)火曜~木曜日
         17:30~22:00(LO)
    定休日 : 日、祝