Assiette dessert
Lyrique
素材へのこだわりと
創意工夫が生み出す
至極のデセール
星が丘で人気を博したアシェットデセール(皿盛りのデザート)の専門店『リリック』が、移転先に選んだのは那古野の地。オーナーパティシエの近藤祐香理さんは、学生時代にフランスへ製菓留学後、200年以上の歴史を誇るパリの名店『ラペルーズ』やフランス料理の巨匠であるアラン・デュカスがプロデュースする東京のビストロ『ブノワ』で研鑽を積んだ実力の持ち主。「ここ那古野でも、今まで学んできた伝統的なことを基本に、私というフィルターを通し、時代と季節を大切にしたアセットデセールを表現していきたい」と意気込む。
デセールのメニューは、定番1種類と1ヶ月から1ヶ月半ごとに内容が変わる季節のフルーツを使った2種類。どの皿も、目の前に運ばれてきた瞬間にため息が出てしまうほど芸術的な盛り付けで、一口食べるとそのおいしさに、思わず笑みがこぼれる。これは近藤さんが、どこから食べていただきたいかを考えて盛り付けを構成したり、甘いフルーツなら最後の一口になる部分に塩味を加えることで食べ終えたときにおいしかったと感じてもらえるように工夫しているからこそ。フルーツは一つひとつ吟味して仕入れ、素材により器や盛り付けのデザインを考える。こうして仕上げられたデセールは、近藤さんの豊かな感性が感じられるものばかりだ。
定番のピスタチオブリュレとフレッシュラズベリーは、薄い飴細工の割れる音やハラハラとした食感が楽しい一品。絡み合うラズベリーのほどよい酸味や飴のほのかな苦み、香りの良いものと食感がいいものを2種類砕いたピスタチオの味わいが何層にも重なり合い、食べるものを魅了する。また、フレッシュな無花果をメインに、スパイスを効かせたパンナコッタやアイスを添えることで秋を表現したという無花果とピュアアーモンド、トンカパンナコッタは、これを目当てに毎年足を運ぶ常連客も多いという人気の一皿。
これらのデセールは、季節やデザートに合わせて毎日変わるスパークリングワインや白ワインとのマリアージュを楽しむこともできる。
那古野を拠点に
楽しみながら
世界への思いを紡ぐ
「伝統的なものに惹かれる」という近藤さん。「400年以上の歴史ある地域を大切にしながら、現代に合わせブラッシュアップしている那古野は、自身のデセール作りの考え方とマッチしている」と思ったことが那古野への移転の決め手となったという。
店舗は「足を運んでいただいたお客様にゆっくりしていってもらいたい」との思いから、あえて外からは見えづらい2階を選んだ。1階の入口より洗練された和風モダンなエントランスを進み、階段を上がって店舗へ。扉を開けるとそこには、天井の梁などに古民家の趣を残しつつ、グレーを基調としたモノトーンの空間が広がる。落ち着いた雰囲気にしたのは、皿の中の世界観をじっくり体感してほしいとの思いに加え、今後フラワーアーティストやデザイナー、作家らとのコラボも考えており、作品が映える空間にしたかったため。「店舗の内装を決める際に私がお願いしたことといえば、できるだけ色をなくしてほしいということだけ。こんなに素敵な空間になったのは、建物のオーナーさんや職人さんたちのお陰です」と笑顔で話す。
今後について「那古野エリアはお店の方々の仲が良く、つながりが強いだけに、いろいろ企画を考えて一緒に楽しんでいければと思っています」と語る近藤さん。「将来的には那古野を拠点に、東京、台湾、パリなどに進出して、世界で活躍していきたいです」。
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- Lyrique
リリック - TEL:052-734-6170
住所:名古屋市西区那古野1-23-9 2F
営業時間:13:00~19:00(LO18:45)
定休日:木曜・不定休
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