那古野とフレンチ

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フランス料理
dai-DAN~en~

料理と真摯に
向き合う姿勢はそのままに
さらなる高みを目指す

 那古野界隈が今のような賑わいをみせる前の2012年4月、人通りも少ない路地に静かに産声を上げた『日仏食堂~en~』。「オープン当初は来店してくれるお客様も少なく、大変な思いをしました」と当時を振り返るオーナーシェフの藤井昭彦さん。それから8年、夫婦二人三脚で店を盛り立て、本格的なフランス料理を気軽に味わえる那古野の隠れ家的レストランとして徐々に知名度を上げ、人気店の仲間入りを果たした。
そんな同店が、2020年11月にリニューアルオープン。店名は『dai-DAN~en〜』に改めた。1階はオープンキッチンと対面するカウンター席、そして坪庭を望むテーブル席。2階は2部屋の個室と古民家では珍しいウォークインのワインセラーを備えた大人の空間として自身の成長と重ね合わせるかのように生まれ変わった。「この全面改装により店の雰囲気もがらりと変わりましたが、以前と同じように肩ひじを張らず、料理やワインが進むごとに会話も弾む、楽しい時間を過ごしていってもらいたいですね」。

 コース主体となっても変わらないのが、旬の素材たちと真摯に向き合う藤井さんの姿勢。信頼のおける業者からいい物だけを仕入れ、化学調味料や既製品を使わず、素材の自然なおいしさを引き出すために日々努力を重ねる。この日に登場した温かな前菜では、青森県産のごぼうで作るポタージュスープの土の香りで秋のイメージを、カダイフを巻いた白子を焼くことでサクサクとした食感が楽しめるように演出。また、魚料理では、玉ねぎや手羽、モミジ、魚のアラなどでとったスープとビーツを合わせた鮮やかなピンク色が印象的なソースと、外側はパリッと身はふっくらと仕上げた篠島直送の肉厚な鰆が絶妙にマッチする。さらに骨付きのフランス産小鳩に絶妙な火入れを施し、しっとりと仕上げた肉料理では、鶏、牛筋、香味野菜を煮出したブイヨンをベースにしたソースが、小鳩のシンプルな味と香りを引き立てる。これら一皿ごとの色合いと季節感を大切にしていきたいというコースは月替わりをベースとしているものの、仕入れ具合により内容が変わるので、訪れるたびに新たな発見があるのも楽しみだ。そしてもうひとつ、平日の当日予約のみとなるが20時以降の1ドリンク制でアラカルトを提供しており、一人で気軽にワインと料理を味わうこともできる。
料理と一緒に楽しみたいワインは、フランスと日本を中心に自然派ワインを600本ほど取り揃える。この中からダイナミックかつ繊細な藤井さんの料理に合う最適な1本を提案してもらえるので、この店ならではのマリアージュを存分に楽しんでみたい。

今までも、これからも
ご縁を大切に
那古野の発展に協力

 店名の『dai-DAN~en~』は、まだまだ未完のenが、この地でお客様に支えられ、完成され、まるくなるという意味を込め「欠けることがなく、うまく丸くおさまる」「円満なさま」との意味を持つ”大団円”から命名。
「この地に店を開く時も、開いてからも、お客様をはじめ本当にいろいろな方とのご縁をいただき、支えていただきました。中でも、オープン当初からの常連客であり、建物の現オーナーとは、表現者としてもうひとつ高みを目指していくためには、店を、サービスをどうしたらよいかということを熱く語り合いました」と笑顔で話してくれた藤井さん。その時の夢を形にした現在も「店ができたから完成というわけでなく、同じ志を持つ人々とのご縁を大切に、一緒に力を合わせて那古野の発展に協力していきたい」という強い思いを抱き続けている。

  • dai-DAN~en~
  • dai-DAN~en~
  • dai-DAN~en~
    だいだんえん
    TEL:052-533-2133
    住所:名古屋市西区那古野1-18-30
    営業時間:11:30~13:00(LO)
         18:00~22:00(LO)
    定休日:日、金ランチ
       (月が祝日の場合、日は営業)
    https://www.en-endoji.com